モルトの会、テイスティングノート
2012.9.23 スタンドバーにて
今月のお題は、「ストラスミル」である。
ストラスミル、これほど話題に上らない蒸留所もないだろう。立地はスペイサイドあたりか、という程度である。
もちろん、市場に出回っているモルトの数も多くはないだろう、ほとんどがJ&Bなどのキーモルトに回っているのであろう。
そんなレアなモルトなので、今回の5本も苦労して集められたのは想像に難くない。
蒸留所に関するインプットはほとんど無いので、コメントすべき特徴を記することはできないが、テイスティングした限り、どことなく無個性そんなイメージである。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] G&M コニサーズチョイス ストラスミル リフィルバーボン 1991-2007 43% ***
(香り) トップノートはフルーティ、ややドライに感じる時も。やさしい香りでかすかにハッカ、北ハイランドモルトの個性。程よい酸味とエレガントな印象。時間が経つとわずかにヌカの香り。
(味) やはり味でもヌカ風味が出る。ややドライで、雑味を感じる時がある。
*** [No.2] オールドモルトカスク ストラスミル リフィルホッグスヘッド 1/367 1975-2011 36年 44.1% ***
(香り) 深い香り、ナッツやチョコの香りだ。しだいにエステリーに変化してくる、南国フルーツと言って良い。わずかなピート香。
時間を置くと梅酒の香りも、酸味が心地よい。バーボン樽熟成の個性か。
(味) フルーティ、フルーティ、しかも深みがある。わずかな苦味とウッディな味わいが長熟を予感させる。
*** [No.3] アーカイブス ストラスミル バーボンホッグスヘッド cask no.1231 1/180 1974-2011 37年 44.5% ***
(香り) 深い香り、心地よいエステル香、南国フルーツ。深みとバランスする酸味。押し出しの強くない、程よい熟成香が感じられる、奥にはハッカも。
(味) まずドライと感じる、次にウッディな深み。酸味とエステリーの競演も素晴らしい。
*** [No.4] シグナトリー ストラスミル ホッグスヘッド cask no.4476 58/292 19877-2005 51.2% ***
(香り) トップノートはエステリー・エステリー。やさしい、それでいて、どこにでもあるような果物の香り。かすかにミント、北ハイランド系か。
(味) 上質のフルーツ、フルーツ好きにはたまらない味わい。酸味も心地よい。
*** [No.5] マキロップチョイス ストラスミル cask no.4256 1976-1999 57.1% ***
(香り) まずえぐみを感じる、シェリー系の物では無い。しだいにエステリーとピートを感じるようになる。さらにキャラメルとそれに見合う酸味が出てくる。
さらに時間が経てば、ウッディな熟成感が垣間見える。奥にはヌカの香りも。
(味) 酸味とフルーティ、やや苦味をともなう。香りほど複雑ではない。