モルトの会、テイスティングノート
2012.12.23 スタンドバーにて
今月のお題は、「グレンキース」である。
グレンキース、オフィシャルボトルがありながら、どちらかといえばあまり話題に上らない蒸留所だ。お恥ずかしい話だが、かくゆう私もこの蒸留所が閉鎖されていた事を知らなかったくらいだ。 そんなグレンキースだが、来春から再開予定である事は喜ばしい限りである。
さてこの蒸留所、オフィシャルボトルの10年ものは青リンゴが香り、若く、かつライトなイメージが付きまとう。熟成とは縁の無いものだ。
しかし今回の5本をテイスティングする限りそんなイメージはまったく無い、それどころかどっしりと重厚な印象さえある。熟成年数を聞けば、当たり前といえば当たり前ではあるが。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ゴードンアンドマクファイル グレンキース リフィルアメリカンホッグスヘッド 1968-2007 39年 46% ***
(香り) トップノートは高級なエステル香。単調なエステルでは無く、複雑なものだ。奥にわずかなピートを感じる。
こってりと重厚なボディであるが、ピリッとしたスパイス感もあり重くはならない。わずかなキャラメル香も感じられる。
(味) ピリピリとスパイシー。ほのかに感じられるウッディな含み香が長熟を感じさせる。基本的にはドライで辛い。
*** [No.2] シルバーシール グレンキース 193/235 1970-2011 40年 46.9% ***
(香り) ほのかにエステリー、かなり高級な物だ。次に感じられるのは爽やかな秋のお花畑、良い意味でフローラル。
奥にはわずかにヌカの香り、ピート由来の物かもしれない。さりげない熟成感が素晴らしい。
(味) ドライで甘みが少ない。渋味、苦味を感じる味わいがたいへん心地よい。わずかにウッディ。
*** [No.3] BBR グレンキース 1985-2011 25年 47.8% ***
(香り) トップノートは爽やかな香り、明るいフルーツ。しだいにヌカが香り出すが、出ては消える程度のものだ。わずかにイガイガするのはピート由来のものであろうか。
(味) 砂糖水を連想する含み香。旨み成分が多い。基本的にはドライで味の数はそれほど多く無い。加水するとリンゴが出てくる。
*** [No.4] ウイスキーエクスチェンジ グレンキース ホッグスヘッド cask no.57243 1/226 1989-2012 22年 50.7% ***
(香り) ややヌカを感じさせるトップノート。フルーツ控えめでドライな印象。
(味) 味わいは、ほのかなな柑橘。ピリピリ感が強い。味の数はそれほど多くない。
*** [No.5] リンブルグ ザ ウイスキーフェア グレンキース バーボンホッグスヘッド 1/171 1970-2011 40年 51.8% ***
(香り) わずかにヌカが香るが、すぐに消えてエステル香が香ってくる。旨みを感じさせるたいへん濃い香り。バニラの香りが心地よい。 しだいに熟成由来の香りがいくつも出てくる。複雑な香りで、いつまでもグラスを回していたくなる。
(味) いがいがとした味わい、かすかなピート。こってりとした味わいだがドライでもある。
時間が経てばエステルが開いてくる。奥には熟成由来のウッディな含み香。