2010年08月02日

コニサーズクラブ(2010/6/27)テーマ「グレングラント」

グレングラント(100627)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「グレングラント」である。

 グレングラントといえば、色の濃いモルトで有名である。もちろんシェリー樽熟成のモルトであるが、焦げたゴム、硫黄臭は控えめであり、すばらしい熟成を示すものが多い。
今回テイスティングした5本でも濃い色のモルトが2本登場したが、一方他の3本は軽いピートをともないながら、たいへんフルーティでスペイサイドモルトの典型といってもいいモルトであった。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ダンカンテイラー ザ オクタブ グレングラント 1/70 cask no.445800 1974-2010 35年 50.5% ***

(香り) トップノートはエレガント。しだいにさわやかにミントの香りが立ってくる。酸味も適度で、甘さとバランスしている。軽いピートのような香りがするが、非常にわずかなものである。
 たいへんフルーティで上品。

(味)  きわめてフルーティである、それもたいへん上質なフルーツ。しばらくするとうまみを感じられるようになる。
そして熟成感は時を経てようやく登場する。あじわいはたいへん複雑。


*** [No.2] ブラッドノック フォーラム グレングラント 41/206 1980-2009 28年 52.2% ***

(香り) 濃い香り、香りの立ちも早い。キャラメル香と心地よいエステリーな香り、バーボンカスクか、またはアメリカンオークの新樽か。軽いピートをともなう。

(味)  フルーティ アンド フルーティ。しかし心地よい渋味も感じる。味の数は多い。うまみを感じながらのフィニッシュ。


*** [No.3] マーレイマクディビッド グレングラント ミッションゴールド バーボンカスク 1985-2007 21年 57.9% ***

(香り) トップノートはエステリー。まったりして濃い香り、新樽熟成か。ピートをかすかに感じることがある。
 しだいにさわやかな印象に変わってくる、温度変化によるものか。

(味)  まず若さを感じる、アルコール感も強い、もうすこしの熟成がほしい。しだいにフルーティーな印象に変わってくる。軽いピートも感じられる。うまみがしっかり感じられるモルトだ。


*** [No.4] ダンカンテイラー グレングラント 91/285 cask no.44541 1987 22年 56.0% ***

(香り) キャラメルの香りが強い、ラム酒の香りも。こってりと濃厚な香りだ。トースティな香りにマスクされているが、ウッディな熟成香が感じられる。シガーの香りも、軽いピートをともなう。

(味)  たいへんトースティである。典型的なシェリーカスクの個性。湿気くさい含み香。心地よい渋味が感じられる。


*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No. 9.40 グレングラント 1972-2006 33年 52.4% ***

(香り) 有機溶剤の香り、とてもエステリー。バーボン樽、あるいはアメリカンオークの新樽による熟成か。スィートな香りが心地よい。香りの数はたいへん多い。

(味)  とてもフルーティー、あんずの香りが立つ。味は濃いがドライに感じる。複雑なにがみが長期熟成を感じさせる。かすかにウッディ。



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2010年07月01日

コニサーズクラブ(2010/5/23)テーマ「リトルミル」

リトルミル(100523)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「リトルミル」である。

 これでますます蒸留所を当てるという行為が難しいことが分かってくる。

 リトルミルといえば、「濡れたダンボール」や「かびくさい」といった形容がすぐに出てくるくらい特徴的なモルトで有名である。実際スタンダードなオフィシャルボトルを飲んでみると、そんな味わいに間違いは無いと感じるだろう。

 ところがどうだ、今回テイスティングした5本は、いずれもそんな印象は少しも感じられないのである。若さに起因する濡れたダンボールにどころか、枯れた熟成感がそこはかとなく漂っているのである。

 オフィシャルボトルで、たいへん損なイメージを持つ蒸留所ではあるが、今回は期待しつつテイスティングノートを読んで頂きたい

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] スコッチモルトセールス リトルミル ディスティラリーコレクション 1977-2004 49.6% ***

(香り) トップノートはエレガント。しだいにミントの香りが立ってくる、たいへん爽やかな香りだ。心地よい酸味が印象的。

(味)  フルーティではあるが、意外とドライ。しばらく味わっていると熟成感が感じられるようになる。ウッディな味わいが素晴らしい。軽いピートも感じられる。


*** [No.2] エクスクルーシブモルト リトルミル cask no 166 1/251 1991 16年 53.8% ***

(香り) ミルキー、キャラメルの香りも、それでいてスパイシー。しだいにさまざまなフルーツが登場してくる。酸味がたいへん爽やか。奥にはバニラの香りが見え隠れする。

(味)  たいへんドライである。注意深く味わえば、そこはかとなく熟成感が漂う。ウッディな熟成感だ。
 ドライと関連するが、味の数はそれほど多くない。


*** [No.3] ゴードン&マクファイル リトルミル スピリット・オブ・スコットランド 1985-2004 19年 55.2% ***

(香り) キャラメルの香り、バーボン樽熟成の個性か。ミルキーの香りも。しだいに酸味が立ってきて爽やかになる。それとともに隠れていた熟成感が顔を出す。
 さらに時間がたてば、香ばしいシェリー樽の個性が出てくる。やや硫黄の香りも。

(味)  典型的なシェリー樽熟成、香ばしさは十分。焦げたゴムの一歩手前。


*** [No.4] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.97.11 リトルミル 1990-2008 18年 56.0% ***

(香り) トップノートは硬い印象。かなりドライ、かつ香りの立ちが遅い。しばらくするとそんな印象を覆す熟成感に包まれる。酸味も心地よい。
 さらに時間をおけば、たいへん上質のフルーツが香ってくる。またフルーツの数はたいへん多く、かつ上質のフルーツである。

(味)  まずフルーティーな味わいを感じる。しだいに熟成感が広がってくる、ウッディな味わいが心地よい。


 以下は2008.06.29のSMWS試飲会における、97.11のテイスティングノートである。あまりのコメントの違いに驚いている。

(香り) 非常にシャープでスパイシー。アルコール感が強い。若草の青い香り。

(味)  やはりアルコール感が強い。濡れたダンボールを連想させる。


*** [No.5] ケイデンヘッド リトルミル バーボンホッグスヘッド 1989-2006 16年 59.7% ***

(香り) 香りは硬く、かつ弱い。しだいにまったりとした香りが立ってくる。さらに時間が経てば酸味と香ばしい香りが広がる。軽い熟成感もあり味わい深い。

(味)  ドライでアルコール感が強い。香りとは裏腹に単純な味わいである。



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2010年05月26日

コニサーズクラブ(10/4/25)テーマ「グレンロセス

グレンロセス(100425)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「グレンロセス」である。

 グレンロセスといえば、たいへん洒落たデザインのオフィシャルボトルで有名である。またラベルにはビンテージが表記され、オフィャルボトルにしてはたいへんマニアックだ。

 シェリー樽を多用するハウススタイルではあるが、マッカランのような典型的なシェリー樽熟成ではなく、バランスのとれた綺麗な味わいである。 飛びぬけて旨いモルトも無いが、不味いものも無い、そんな印象を持っている。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ロナック グレンロセス オーク 1973-2008 40.3% ***

(香り) トップノートは心地よい酸味。しだいにミントの香りが立ってくる。さらにたいへん香ばしいかおりも出てくる。

(味)  心地よい苦味があり、長熟を感じさせる。1960年代蒸留の古い味わいがある。基本的にはドライ。


*** [No.2] ダンカンテイラー グレンロセス オーク cask no 13498 1968-2008 39年 48.2% ***

(香り) 香りの立ちが遅い。しだいにエレガントな香りが現れる。さらにたいへん変わったフルーツの香りも出現する。フルーツの香りはたいへん多い。じっくり味わっていれば、たいへん重厚な香りに変化する。

(味)  フルーティーではあるが、たいへん心地よい渋味がある。苦味も心地よい、やはりドライ。時間が経つほどに美味くなる種類のモルトだ。


*** [No.3] ブラッカダー ローカスク グレンロセス オークホッグスヘッド 158/277 cask no 18832 1989-2004 14年 56.6% ***

(香り) たいへんアルコール感が強い、かつドライ。奥にはハッカの香りも。焼けたアルコールの香りはあるが、さわやかでもある。

(味)  若さが感じられる、熟成不足。アルコール由来の甘味。


*** [No.4] エイカーダイク グレンロセス 1990-2004 56.6% ***

(香り) トップノートはエステリー。ミントの香りも爽やかだ。アルコール感は強くはあるが、まったりした香りがあり、きつく香ることは無い。
 有機溶剤系の香りが立つが、反面香ばしさもある。しばらくするとシェリー樽由来の焦げたゴムの香りが出てくる。

(味)  やはり焦げたゴム。ただしエステリーが強く嫌味な硫黄臭は弱い。たいへんまったりしている。


*** [No.5] スコッチモルトセールス グレンロセス 1989-1999 10年 62.6% ***

(香り) トップノートは甘い香り、砂糖水の香りか。香りの数は少なく単調だ。

(味)  やはり甘さが感じられる。アルコール感が強くピリピリする。



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2010年05月04日

コニサーズクラブ(10/3/28)テーマ「ブナハーブン」

ブナハーブン(100328)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「ブナハーブン」である。

 モルト呑みの間で人気の高いアイラモルトにあって、最も話題にのぼることの少ない蒸留所がここブナハーブンではないだろうか。

 たしかに、ここブナハーブンには印象深いモルトが少なく感じられる。ピートをほとんど効かせず、かつ華やかさも抑え目のハウススタイルは大変地味である。

 そんな印象しか持たなかったのだが、そこはこのモルト会、普通のモルトは出されない。5本を呑み終えると、今回もたいへん素晴らしいモルトが多々あった。

基本的にドライでありながら、味わい深くウッディな熟成感もあり、たいへんレベルの高いモルトが出てきたのである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ジョン・マクドゥーガル スピリット・オブ・アイラ ブナハーブン ラムカスクフィニッシュ 1982-2003 46% ***

(香り) トップノートはミント、香りはなかり軽い。わずかにヌカの香りも。しだいに酸味がでてきてアクセントが付く。フルーティーさは梅の香り。

(味)  たいへんドライ、無機物の味わい。軽いがしっかりした熟成が感じられる。


*** [No.2] ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド ブナハーブン 1990-2004 53.2% ***

(香り) 酢酸エチルの香り、たいへんエステリー。メロンの香りも感じられる。奥にはまったりとしたタクアンの香りも。酸味もほどほどに感じられる。

(味)  やはり酢酸エチルの味わい、フルーティーではあるがドライである。よく味わってみるとしぶみも感じられる。


*** [No.3] シグナトリー ブナハーブン シェリーバット cask no 2539 1978-2005 26年 54.6% ***

(香り) トップノートはエステリー。しだいにこってりとした香りになり、バタースカッチの香りで満たされる。時間が経つと甘い香りも増えてくる。香りの数はたいへん多い。

(味)  うまみが強く味わい深い、うまみとは相反するがドライでもある。かすかに熟成由来のウッディな印象がある。


*** [No.4] デュワー・ラトレー ブナハーブン シェリーバット cask no 6223 1/529 1976-2008 31年 49.4% ***

(香り) 言葉に出来ないが、かつて嗅いだことの無い香りがする、無機物の香りだ。香りの数はたいへん多い、ハチミツの香りもある。
しだいにエレガントな香りに変化するとともに、ウッディな熟成感に満たされる、たいへんすばらしい香りだ。バタースカッチの香りもある。

(味)  基本的にはドライだが、味の数は多く、熟成感が大である。ウッディな味わいが素晴らしい、渋味も熟成感を上げるのに一役買っている。たいへんうまいモルトである。


*** [No.5] ダグラスレイン オールド・モルト・カスク ブナハーブン 1/379 1979-1998 19年 50% ***

(香り) へんな表現だが「くさい」である、シェリー樽熟成であろうと思われるが、えぐみや焼いた砂糖の香り、ヌカの香りも。よく言えば香ばしくトースティーである。

(味)  やはりシェリー樽熟成の個性である焦げたゴムの味わいが強い。シェリー樽熟成好きの方にはお勧めであろう。



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2010年04月05日

コニサーズクラブ(10/2/28)テーマ「宮城峡」

宮城峡(100228)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「宮城峡」である。

 ジャパニーズモルトでまだお題になっていない蒸留所、それが宮城峡であった。それだけに満を持してのモルトが揃っていたのではないだろうか。

 飲み進めていくと、どれもなかなかレベルが高くて、バラエティに富んでいる。リベット、ロングモーン、ハイランドパークの名前が思い浮かぶが、やはりどれも当てはまらない。となると山崎あたりの名前が頭に思いに浮かぶ、No.1、No.4あたりにはミズナラっぽい個性もある。

 しかしそうではないとのことだ、そして最後に残ったのが宮城峡というわけだ。余市にはミズナラ樽が存在するとのことだから、宮城峡にあってもおかしくは無い。どれもレベルの高いモルトであって、いまさらながら日本の蒸留所の技術に驚くばかりだ。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オフィシャルボトル 宮城峡 1988 20年 50% ***

(香り) トップノートはフルーティー、アンド、フルーティー、たいへん色鮮やか。酸味がピリッとアクセントに。じつにエレガントである、軽くミントの香りも。

(味)  まずフルーティーに感じるが、しだいに熟成由来のウッディーが立ってくる。ミズナラ樽の個性も、実に旨いモルトである。


*** [No.2] オフィシャルボトル 宮城峡 70th アニバーサリー 12年 58% ***

(香り) フルーティーに香るが深みもある。ややシェリー樽の個性も、ただしシェリーのいやみはいっさい無い。スイートで素晴らしい香り、しだいにややトースティー。

(味)  エレガントでフルーティー。にがみも心地よい、ウッディーな個性も。やさしい甘味。


*** [No.3] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no C08645 1989-2006 58% ***

(香り) しょう油の香り。えぐみ。ドライな香りで甘味が感じられない。紹興酒の香り、奥にはエレガントな香りもあるが、紹興酒風味に消されている。

(味)  やはりしょう油風味。ドライ。


*** [No.4] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.124.1 宮城峡 1985-2005 17年 59.4% ***

(香り) ほのかに甘くスイート、かつフルーティー、リフィルシェリー樽か。深みのある香りが素晴らしく、幸せな気分にさせてくれる。エレガントな酸味も素晴らしい。しだいにバニラ香も。

(味)  アルコール感は強い、フルーティーかつ酸味がきいてバランスが良い。ほどよく熟成感が感じられ、非常によくできたモルト。


*** [No.5] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no 80283 1986-2008 63% ***

(香り) リフィルシェリー樽の個性、ピートの香りが全体を引き締めている。大変濃い香りでまったりとしている。

(味)  ピートとフルーツ。ブローラとは違うピートとフルーツだ。しだいにシャープな印象になり、ウッディーな味わいもでてくる。バニラの含み香も。



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2010年03月07日

コニサーズクラブ(10/1/24)テーマ「カリラ」

カリラ(100124)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
 今月のお題は、「カリラ」である。  今回で何度目であろうか、そのくらいこの会には登場することが多い蒸留所である。  とにかくシャープなピートというイメージが強いが、今回はたいへんバラエティーに富んだ味わいのモルトであるとの印象を持った。  またこの会では世間の辛いという風評に反して、カリラを「甘い」という認識をもつメンバーが多いが、今回のモルトでは特に甘さを感じることは無かった。  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] エクスクルーシブカスク カリラ cask no.4936 1980 28年 50.5% ***

(香り) 軽いピート香、さわやかにミントが香る。注意深くすれば麦芽風味を感じ取れる。しだいに香りは開いて鮮やかなフルーツと酸味が現れる。

(味)  中程度のピート、甘みが心地よい。様々なフルーツもピートの奥に感じられる。

*** [No.2] ラッドノック・フォーラム・メンバーズ カリラ ホッグスヘッド 1983 25年 52.7% ***

(香り) 爽やかさのミントと熟成のフルーツ。しだいに上品さは増してくる、さらにまったりとした乳酸飲料の香りも。

(味)  フルーティではあるが、熟成由来の渋みが心地よい。程よいピートがフルーツとバランスしている。

*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.53.103 カリラ 1993-2006 13年 60.7% ***

(香り) トップノートは強いピート、フェノールも強い。心地よい酸味がピートオンリーのモルトではないと感じさせる。

(味)  アルコール感が強い、ピートも強く刺激的だ。ただし旨みが強く、ピートだけに終わらない。

*** [No.4] セレブレーション・オブ・ザ・カスク カリラ ホッグスヘッド 90/260 1981-2009 63.6% ***

(香り) アプリコット系のフルーツ香。しばらくすると、軽い熟成香が感じられるようになる。ただし香りは弱く、注意深くノージングしないといけない。安いキャラメルの香り。最後に軽いピート香。

(味)  ドロップの含み香。香料。石鹸。パフューム。とにかく独特である。ボウモアとも違うパフュームだ。やや酸化した香り。

*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No53.130 カリラ one/301 9年 68.2% ***

(香り) 中程度のピート香。まったりとふくよかな香りも。酸味とキャラメル香。

(味)  まず旨みを感じる。しかしピートが支配的である。ピートがなければ若さを感じることになるであろう。


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2010年02月06日

コニサーズクラブ(09/12/27)テーマ「ブローラ」

ブローラ(091227)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2009.12.27 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ブローラ」である。  閉鎖といっても旧クライヌリッシュであるので、完全な閉鎖といってよいかどうかは疑問ではある。しかし現在のクライヌリッシュには少ない、ピートの強さ、渋みがあるといえよう。  ブラインドテイスト後、ピート感、熟成、シェリーの個性からラガブリンとブローラの名前が頭に浮かんだが、ピートの強さからラガブリンではないかと感じたしだいである。思った以上にブローラのピートは強いのがそれで分かると思う。  今回も名声にたがわぬ素晴らしいモルトが出されたことを付け加えておこう。  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1]ウイスキーマガジン エディターズチョイス ブローラ 88/187 cask no.529 1977-2003 26年 51.3% ***

(香り) 上品かつエレガント、上質の酸味が鼻を抜けていく。フルーツの香りもきわめて心地よい。軽いピートを感じる。

(味)  中程度のピート。基本はフルーティ、アンドフルーティ、それもトロピカルで色彩感豊か。たいへん明るい印象、さらに深い旨みを感じる。

*** [No.2] ダグラスレイン オールドアンドレア ブローラ one/233 1971-2001 30年 51.7% ***

(香り) たいへん上品かつエレガント。しだいにトロピカルフルーツで満たされる、それも高級なフルーツだ。酸味も心地よい。奥にはキャラメル香も、バーボン樽の個性か。  しだいに香りは深みを増し、樽由来の熟成感に幸せを感じるようになる。

(味)  フルーティではあるが、渋みがまた素晴らしい。ウッディな味わいは言葉にならないほどうまい。

*** [No.3] ダンカンテイラー ピアレス ブローラ 283/349 19981-2008 27年 53.8% ***

(香り) トップノートはフルーティ。非常に心地よい酸味を感じる。軽く麦芽風味。時間を掛けても香りは弱い。

(味)  軽いピートとフルーティな味わい。やや硬な含み香。味の数は多い方ではない。

*** [No.4] ブローラ(オフィシャルボトル)bottle no.0907 2003 30年 55.7% ***

(香り) 濃いフルーツの香り、奥には軽くミントが香る。わずかにヌカの香り、硫黄っぽくもある、しかし邪魔になるほどでもない。しだいにマッタリ感が強くなり、深みが増す。

(味)  中程度のピート。わずかなシェリーの個性が、良い意味でのアクセントになっており、フルーティさと相まって、三拍子揃ったテイストである。しだいにピートは強くなる。

*** [No.5] レアモルト ブローラ bottle no.3856 1982 20年 58.1% ***

(香り) フルーティだが、まったり感も強い、爽やかなまったりだ。酸味がバランスしている。軽いピート香。しだいにトロピカルフルーツが開いてきて、たいへん鮮やかになる。

(味)  軽いピート、時間を経るとしだいにピートは強くなる。硬い含み香のフルーツ。香りほど味の数は多くない。


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2009年12月02日

コニサーズクラブ(09/10/25)テーマ「グレンカダム」

グレンカダム(091025)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2009.10.25 スタンドバーにて

 またまた、マイナーな蒸留所が登場したものだ。この会にも過去に出されていないというわけではないが、5本も揃ったことはもちろん無い。

 一般的に個性が弱く、印象の薄い蒸留所が多い東ハイランドであるが、5本テイスティングしてみて、やはり当たらずとも遠からずといったところか。ちなみに今回、30年OVERは3本もある。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] モダンマスターズ グレンカダム 1/121 1973 34年 50.1% ***

(香り) まず酸味を感じる、非常にエレガントな酸味だ。しだいに有機溶剤系のエステリーな香りに包まれる。注意深くすればアニスやハッカのような香りもある。
 バランスの取れた香りであり、オフィシャルボトルであろうか。

(味)  フルーティであるが、しだい古い樽、あるいは長期熟成の味わいが前に出てくる。味の数は多いがどちらかといえばドライである。
 しばらく、飲んでいるとたいへん美味いモルトであることに気づく、そんな通好みのモルトだ。


*** [No.2] エクスクルーシブモルツ グレンカダム シェリー one/233 cask no.2179 1974 34年 50.2% ***

(香り) トップノートはイオウの香り。その後たいへん香ばしい香りに支配される、シェリーカスクであろうが焦げたゴムの香りは無い。時として紹興酒の香りが現れる。

(味)  やはりたいへん香ばしい、トースティー。味にも焦げたゴムはなく、シェリーカスクの個性は強いが、欠点が表に出ないよく出来たモルトといえよう。


*** [No.3] マキロップチョイス グレンカダム 1977-1999 56.8% ***

(香り) エレガントな香りで、長熟を予感させる。酸味と甘みのバランスが良い、やや硫黄の香りがある。

(味)  味はドライである、味の数は多くはない。辛いモルトである。


*** [No.4] ダグラスレイン オールドアンドレア グレンカダム one/176 1977-2009 32年 58.1% ***

(香り) 熟成感が素晴らしい。わざとらしくないエステル香が、長い熟成を経ているのを予感させる。甘くバニラが漂いたいへん心地よい。

(味)  味も素晴らしくエステリー。味の数も多く、また熟成由来のにがみもスパイスとなり、いつまでも至福の時間を味わうことができる。それでいて意外とドライだ。


*** [No.5] デュワーラトレー グレンカダム バーボン cask no.5981 1990-2007 17年 59.1% ***

(香り) ハッカ、ミントの香りがある。基本的にドライであるが、甘い香りも感じられる。

(味)  アルコール感が強く、甘みが少ない。きわめてドライ。



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2009年03月04日

コニサーズクラブ(09/1/25)テーマ「低アルコール度数の長期熟成 50%UNDER」

長期熟成 50%UNDER(090125)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。


 今月のお題は、「低アルコール度数の長期熟成の 50%UNDER」である。

 以前のテーマで「アルコール度数が高いと美味いか」の逆で「アルコール度数が低くても美味いか」をテーマとしている。

 結論からいえば、度数が低くても美味いが、やはり香りの立ちが遅かったり、軽いイメージがあるのは隠せない。どこか枯れた印象を持ってしまうのである。

 もちろん、25〜30年熟成のモルトなので美味くないわけがないが、驚くような個性もないことは確かである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ダンカンテイラー ピティーバイク オーク 1979-2005 cask.no5632 084/256 26年 45.9% ***

(香り) 軽くエステリー。軽いピートを感じる、いがいがとした香り。北ハイランド系の香り、それも枯れたものである。しだいに酸味やエレガントな香りが立ってくる。

(味)  高価なフルーツの饗宴。次から次へと、さまざまなフルーツがでてくる。


*** [No.2] モダンマスターズ ダラスデュー 1975 46.5% ***

(香り) 軽くエステリー、エレガントでスイート。極めて上質のフルーツ香。

(味)  あっさりとしたフルーツ、やや枯れた味わい。砂糖水のように感じるときもある。


*** [No.3] シグナトリー ダラスデュー シェリー 1975-2006 cask no.1493 142/184 30年 46.9% ***

(香り) トップノートはエステリー。ややひねた香りを感じる時もある。軽いピート香。上品でバランスした個性、しだいに甘さとバニラ香を感じるようになる。

(味)  枯れた、絶妙のピート。わずかだが熟成由来のウッディーな含み香。じっくりと呑み直してみたい酒である。


*** [No.4] シグナトリー リンリスゴー 1975−2005 cask no.96/3/38 152/343 29年 48.7% ***

(香り) ややひねたトップノート。しばらくすると枯れた熟成香が立ってくる。さらに時間を経ればトロピカルフルーツが現れる。香りの数が多く、長い時間楽しんでいられる。

(味)  わずかなピート。ドライで甘さが非常に少ない。


*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.104.7 グレンクレイグ 1974-2006 32年 49.4% ***

(香り) 青空のように澄んで爽やかな香りだ。みずみずしいフルーツ香。

(味)  ライチの含み香。さらにトロピカルフルーツがたくさん現れる。熟成感も十分でウッディーな味わいが素晴らしい。



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2008年12月20日

コニサーズクラブ(08/11/23)テーマ「ベンリネス」

ベンリネス(081123)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.11.23 スタンドバーにて
 ベンリネス蒸留所はスペイサイドのはずれに位置するが、あまり知られていない蒸留所であろう。巷に出回っているモルトも、ディアジオの「花と動物シリーズ」「レアモルト」と、あとは数えるくらいしかない。  そんな、ベンリネスであるが実力が高いことは、知る人ぞ知るところである。今回も数少ないモルトが5本集められたわけであるが、改めてその実力を確認できた次第である。  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.36.14 1970-1998 28年 48.8% ***

(香り) エステリーで非常にエレガント。軽いピートをともなう、酸味もほどよくバランスしている。雑味がいっさい無い、爽やかで艶やか。

(味)  フルーティー、フルーティー。しかしそれだけではない、しだいにふくよかになり、ウッディーな含み香が広がってくる。熟成由来のにがみ、しぶみがアクセント。

*** [No.2] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.36.34 1970-2006 52.7% ***

(香り) エステリー、たいへん深々とした香り。奥には花のような香りがあり、酸味もほどよい。軽いピート香。しばらくするとバニラ香も感じられようになる。次々に出てくる香りに興味はつきない。

(味)  エステリーでフルーティー。味わいは深く、広く、味の数も非常に多い。素晴らしい苦味と旨み。秀逸なモルトである。

*** [No.3] HARRIS ベンリネス cask no.7014 256/320 13年 55% ***

(香り) 潮っぽい香りが特徴的。麦芽風味あるいは、若さを感じる。軽いピート香、わずかにタクアンの香り。しだいに甘さが出てくる。

(味)  やはり麦芽風味、単調な甘み。熟成が足りない。

*** [No.4] ザ・ボトラーズ ベンリネス 1980-1999 cask no.3405 58.5% ***

(香り) フルーティーかつエステリー。たいへん上品な印象。酸味と軽いピート。しだいにバニラの甘い香りが広がる。

(味)  アルコール感が強い。フルーティーでウッディー。木の香りが印象的だが、押し出しの強いものではなく、あくまでもさり気ないものである。しばらく飲んでいると甘さが出てきてたいへん心地よい。

*** [No.5] マキロップチョイス ベンリネス 1985-1999 cask no.1214 61.5% ***

(香り) まずヌカあるいはタクアンの香りである。シェリー樽の個性、しばらくするとまったりからエステリーに変化してくる。

(味)  トースティーで香ばしい。アルコール感が強く、ピリピリする。湿気っぽさと臭みを感じる。加水でフルーツが出現する。


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コニサーズクラブ(08/11/23)テーマ「ベンリネス」

ベンリネス(081123)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.11.23 スタンドバーにて
 ベンリネス蒸留所はスペイサイドのはずれに位置するが、あまり知られていない蒸留所であろう。巷に出回っているモルトも、ディアジオの「花と動物シリーズ」「レアモルト」と、あとは数えるくらいしかない。  そんな、ベンリネスであるが実力が高いことは、知る人ぞ知るところである。今回も数少ないモルトが5本集められたわけであるが、改めてその実力を確認できた次第である。  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.36.14 1970-1998 28年 48.8% ***

(香り) エステリーで非常にエレガント。軽いピートをともなう、酸味もほどよくバランスしている。雑味がいっさい無い、爽やかで艶やか。

(味)  フルーティー、フルーティー。しかしそれだけではない、しだいにふくよかになり、ウッディーな含み香が広がってくる。熟成由来のにがみ、しぶみがアクセント。

*** [No.2] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.36.34 1970-2006 52.7% ***

(香り) エステリー、たいへん深々とした香り。奥には花のような香りがあり、酸味もほどよい。軽いピート香。しばらくするとバニラ香も感じられようになる。次々に出てくる香りに興味はつきない。

(味)  エステリーでフルーティー。味わいは深く、広く、味の数も非常に多い。素晴らしい苦味と旨み。秀逸なモルトである。

*** [No.3] HARRIS ベンリネス cask no.7014 256/320 13年 55% ***

(香り) 潮っぽい香りが特徴的。麦芽風味あるいは、若さを感じる。軽いピート香、わずかにタクアンの香り。しだいに甘さが出てくる。

(味)  やはり麦芽風味、単調な甘み。熟成が足りない。

*** [No.4] ザ・ボトラーズ ベンリネス 1980-1999 cask no.3405 58.5% ***

(香り) フルーティーかつエステリー。たいへん上品な印象。酸味と軽いピート。しだいにバニラの甘い香りが広がる。

(味)  アルコール感が強い。フルーティーでウッディー。木の香りが印象的だが、押し出しの強いものではなく、あくまでもさり気ないものである。しばらく飲んでいると甘さが出てきてたいへん心地よい。

*** [No.5] マキロップチョイス ベンリネス 1985-1999 cask no.1214 61.5% ***

(香り) まずヌカあるいはタクアンの香りである。シェリー樽の個性、しばらくするとまったりからエステリーに変化してくる。

(味)  トースティーで香ばしい。アルコール感が強く、ピリピリする。湿気っぽさと臭みを感じる。加水でフルーツが出現する。


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2008年12月13日

コニサーズクラブ(08/10/26)テーマ「グレンスコシア」

グレンスコシア(081026)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.10.26 スタンドバーにて

 グレンスコシアはキンタイヤ半島のキャンベルタウンに立地する。かつては多数の蒸留所が存在し、アメリカの禁酒法の時代にはずいぶん栄えた。その後、粗製濫造がたたり衰退の一途をたどったということだ。現在残っているのはスプリングバンクとグレンスコシアのふたつのみである。

 スプリングバンク蒸留所の影に隠れてしまい、知名度の低いグレンスコシアではある。実際かつてのオフィシャルボトルはさしたる特徴もなく、熟成感も感じられなかった。蒸留所の顔たるオフィシャルボトルにしては寂しい限りである。

 そんなグレンスコシアの印象ではあったが、今回の5本はボディも厚く、上品さと深みでおおいに見直したしだいである。スペックを見ると1990年代の蒸留が4本あるが、しばらくの蒸留所閉鎖後1989年に蒸留を再開している、今回、印象が良いことと関係が深いのかもしれない。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] シグナトリー グレンスコシア バーボンカスク 33/193 1974-2005 cask no.844 31年 44.9% ***

(香り) 非常に綺麗な第一印象。フルーティーでさわやか。マイナスの要素が無い。しだいに甘さと酸味を感じるようになる。

(味)  フルーティー、アンド、フルーティー。熟成感十分、酸味がスパイスとなっている。熟成由来の渋味も心地よい。やや軽くはあるがいつまでも飲んでいられるモルトである。


*** [No.2] ロンバート(スコッチモルトセールス)グレンスコシア 1991-2002 57.0% ***

(香り) わずかなヌカやタクアンの香り。軽いピートを伴う、いがいがした香り。その後、炭酸水を思わせる香りがでてくる。リフィルシェリーカスクを感じさせる香り。
 しばらくするとキャラメル香が強くでてくるので、バーボン樽熟成かもしれない。

(味)  麦芽風味が強い。わずかにピートを利かしている。ピリピリと刺激があり熟成不足か。


*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.93.4 1991-1999 8年 66.1% ***

(香り) たいへん濃い香り、深みのあるエステル香。フルーティーではあるがまったりとしている。やや砂糖水の印象があり、熟成が十分進んでいない感じだ。

(味)  やや若く甘みをともなう。軽いピートがアクセントだ。アルコール感が強いが、心地よい苦味があり、味のバラエティーで楽しんでいられるモルトである。


*** [No.4] キングスバリー ケルテック グレンスコシア 196/197 1992 66.2% ***

(香り) トップノートはエレガント、相反するがややヌカっぽいところもある。まったりとして深みがある。甘さと安らかな熟成香、酸味もほどほどありバランスが良い。しばらくすれば、バニラの香りも感じられる

(味)  良い意味で枯れた樽の含み香。ピリピリとしてドライ。


*** [No.5] アデルフィ グレンスコシア cask no.434 1992-2006 13年 66.8% ***

(香り) まずヌカである。グラスを回していれば次第にエステリーが前に出る。酸味と甘みがバランスしている。ウッディな熟成感が心地よい。

(味)  ウッディで熟成が程よい。いろいろな個性がすこしずつ現れ、うまくまとまったモルトといえよう。



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2008年11月23日

コニサーズクラブ(08/9/28)テーマ「モートラック」

モートラック(080928)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.9.28 スタンドバーにて
 モートラックの立地するダフタウンは、スペイサイドのなかではやや東に位置するが、スペイサイドの個性たるスムーズでありフルーティで華やかな蒸留所が数多く存在する。

 ダフタウンのなかでもグレンフィディック(バルベニー)と並んでメジャーな存在といえる。そのなかでも、シェリー樽を好んで使う蒸留所がモートラックであろう。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ジェームスマッカーサー カスクストレングスコレクション モートラック 1982-2002 cask no.4174 55.2% ***

(香り) トップノートはやさしい香り。まろやかなフルーツ香で、じつに上品でエステリー。しだいに甘い香りが立ってくる。奥には軽いピート香がある。

(味)  味もじつにやさしい。いくらでもフルーツが現れる、繊細でほのかな甘みのコンビネーション。フィニシュは静かに、そして長い。

*** [No.2] キングスバリー ケルティック モートラック シェリー 216/604 1989 56.7% ***

(香り) トップノートはややひねた香り。しだいにヌカやタクアンの香り、やや酸化した香りも。シェリー樽の悪い面が出ているが、グラスを回していれば、ほどなくエステリーな面が前に出てくる。

(味)  トースティーで香ばしく、シェリー樽の個性。うまみがほどよく感じられる、フィニッシュは湿気た香りが残る。

*** [No.3] ロイヤル・マイル・ウイスキー モートラック 1/324 1993-2006 57.8% ***

(香り) ひねた香りとタクアンの個性、シェリー樽の個性。しだいに酸味を感じるようになり、炭酸飲料を思わせるような香りが出てくる。注意深くすれば梅の香りも感じられる。

(味)  酸味が心地よく、旨み成分が多く味わい深い。フィニッシュがやや湿気ているのが残念だ。

*** [No.4] ザ・クロスヒル モートラック 1988-2006 59.2% ***

(香り) わずかにヌカの香り。しばらくすればヌカの香りは消えていき、フレッシュな酸味を伴いフルーティーに変化する。さらにキャラメルの香りが現れ、しだいにそれは深くなる。

(味)  シェリー樽の個性、トースティー。シェリーの個性は非常に上品で嫌味は無い。ただしフィニッシュはやや湿気て残る。

*** [No.5] ゴードン&マクファイル モートラック リフィルホッグスヘッド 89/267 1989 16年 59.5% ***

(香り) 程よい酸味があり非常にエレガント。フルーティーでエステリー、ほのかに木の香りがアクセントである。バランスよく香りが現れ、嫌味がまったく無く良く出来たモルトであ。

(味)  フルーティーで軽く酸味が乗っており、たいへん飲みやすい。軽いピートが香り、ここちよく飲んでいられる。


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2008年10月04日

コニサーズクラブ(08/8/24)テーマ「イチローズモルト」

ト(080824)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.4.27 スタンドバーにて

 ブラインドテイスティングをおこない、最も名前のあがらない蒸留所であろう、残念ながらこのモルトだけは一度も飲んだことがないのだから。

 テイスティングしたモルトはもちろん旧東亜酒造で蒸留されたものであるが、シェリー樽をベースとしながらもシェリー樽由来の硫黄臭が少なく、香り高いモルトに仕上がっていた。

 今後リリースされるであろう伊知郎さんの新しいモルトに夢を膨らませつつ、テイスティングノートを読んでいただければ幸いである。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ゴールデンホース 14年 57% ***

(香り) シェリー樽の個性、やや焼けた香り、硫黄の香りもある。しだいにエレガントな熟成感がでてくる。
しばらくすれば甘い香りが立ってきて、シェリーとは別のバニラ香が感じられる。さらに木の香りも心地よい。

(味)  香りからすると意外にドライ、ジンジンとする飲み口。うまみ成分が多くコクがある。やさしいフルーツも感じられるが奥にはウッディな熟成感もある。


*** [No.2] イチローズモルト ザ・ファイナル・ビンテージ・オブ・ハニュウ 136/418 cask 6095 2000-2008 60% ***

(香り) シェリー樽の個性、焼けた香りが強い。硫黄の香りもある。しだいに爽やかな桃系のフルーツに満たされる、酸味も心地よい。

(味)  濃いフルーツ、トロピカルフルーツ系だ。梅の香りもある。フィニッシュはやや湿気ている。


*** [No.3] イチローズモルト ミズナラ・ウッド・リザーブ 61% ***

(香り) トップノートはキャラメル香。その後、醤油風味がかすかに出てくる。軽い酸味がある。注意深くすれば、わざとらしい熟成感もある。トースティで香ばしい。

(味)  こげたゴムの味わい、シェリー樽熟成の個性。熟成からくる苦味と若さからくるアルコール感の両面を感じられる。


*** [No.4] イチローズモルト セブン・オブ・ハート シェリー 1990-2007 73/636 54% ***

(香り) やさしいフルーツ香。甘い香りが強い、梅の香りも。やさしい熟成感が感じられるが、砂糖水のような軽い香りに感じることもある。

(味)  酸味と湿気た味わい。軽いピートも感じられる。


*** [No.5] イチローズモルト クィーン・オブ・クラブ 1988-2008 185/330 56% ***

(香り) 強いエステル香、有機溶剤の香り。その後やさしく、甘い香りに包まれる。

(味)  深々とした甘み。エステリーであるが、苦味成分も多い、酸味とよくバランスしておりよく出来たモルトといえよう。




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2008年08月25日

コニサーズクラブ(08/7/22)テーマ「トバモリー」

トバモリー(080722)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.7.22 スタンドバーにて
 今月のお題は、「トバモリー」である。

 アイランズモルトといえば、タリスカー、ハイランドパーク、アラン、ジュラ、スキャパなど、個性的でメジャーな蒸留所が数多くあるが、このトバモリー蒸留所は別格にマイナーではないだろうか。

 オフィシャルボトルをテイスティングした時の記憶さえもほとんどない。参考までに2000年1月のテイスティングノートを紹介すれば「香り:ライト、味:ブレンデッドのよう」と散々である。

 そんな影の薄い蒸留所ではあるが、今回の5本の印象からいえば、じつに多種の個性があることがテイスティングのメモでのコメント数の多いことから窺い知れる。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドマスターズ トバモリー カスクストレングスコレクション 1993-2003 20年 56.5% ***

(香り) トップノートはエレガント、しだいにひねたヌカの香りが現れる。奥にはピート香も感じられる。 しばらくすると香りはライトになり、麦芽風味が感じられるようになる。

(味)  かつてのボウモアを思わせる、パフューミーな化粧品香で満たされる。

*** [No.2] ウイスキーエクスチェンジ トバモリー 482/828 ホッグスヘッド  1995-2007 12年 56.9% ***

(香り) トップノートは爽やかでライト、ミントの香りがすがすがしい。しだいにひねてヌカっぽい香りが出てくる。さらにトースティーで焦げた香りさえ深まってくる。香りの変化が大きいモルトである。

(味)  ドライで酸味をともなう。かすかにパフューミー。硬い感じの飲み口でやや若さを感じる。

*** [No.3] ジャパンインポート スピリットオブスコットランド レダイグ リフィルシェリーカスク 1990-2004 58.6% ***

(香り) まったりと深みのある香り、軽くキャラメル香が感じられる。ややアルコール感が強い。水あめの香りがあるが、若さからくるものか。 しだいに華やかな香りに変化するとともに、シェリー樽由来の焦げたゴムも感じられるようになる。

(味)  こげたゴムの味わい、シェリー樽熟成の個性はあるが、甘くならずどちらかといえば辛い。

*** [No.4] シールダイグ cask no.5451 1974-2004 29年 51.3% ***

(香り) スィートでエレガント。フルーツの香りは非常に濃く、トロピカルフルーツに包まれる。しだいに香ばしい香りとウッディな熟成香が現れ、長熟であることがうかがえる。香りの数はたいへん多い。

(味)  こげたゴムの個性はあるがシャープでフルーティー。非常にバランスが取れて、よくできたモルトといえるだろう。

*** [No.5] シグナトリー トバモリー シェリーホッグスヘッド 34/230 cask no.3221 1974-2005 30年 55.2% ***

(香り) 甘く砂糖水の香り。しばらくすれば金属っぽい香りが現れる。さらにヌカっぽく、トースティーでもある、シェリー樽の個性か。

(味)  まず熟成を感じる、ウッディで渋みをともなう。さまざまな木の香りが感じられるが、上質な樽で熟成されたのであろう。味の数も多く、じつに味わい深い。


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2008年07月25日

モルトマニア格付けチェック!その7

先月の格付けチェックはふたたび「どちらが高い」でした。

普通に買えば10,000円以上はするオールド・モルト・カスク(OMC)の「グレンキース30年 1968」(6,980円というバーゲン価格で購入)に対するのは、なんと「サントリーウイスキー北杜505(600ml 50.5度)」、1,200円ぐらいで買えるブレンデッドです。

ところがこれが当たらない!正解者は2人で過去最低でした。私も「片方は30年」というヒントに幻惑されて、香りがあまりしない北杜の方を選んでしまいました。味はほぼ互角で、「普段飲むのは1,000円ぐらいのウイスキーで十分」という自嘲や、「サントリー恐るべし」という声などで今回もとてもにぎやかでした。
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2008年07月22日

コニサーズクラブ(08/6/22)テーマ「インチガワー」

グレンギリー(080622)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.6.22 スタンドバーにて
 今月のお題は、「インチガワー」である。

 インチガワーといえば「塩辛い」モルトとよくいわれるが、実際はどうなのであろう。

 香りにヌカの個性は感じたものの、味わいには塩辛いといったコメントはメモに見当たらない。

 いっけんマイナスイメージのコメントと捉えられてしまうが、全体的な印象では香りの数、味の数とも豊富で、味わい深いモルトであると感じた。メンバーのコメントも悪くないモルトであった。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.18.22 1985-2005 20年 51.7% ***

(香り) トップノートは爽やかなミント。酸味が心地よく、果物の香りが盛りだくさん。奥にはややまったりとしたヌカの香りがある。

(味)  深みがあり、まったりとしている。ややにがみをともなう、最初は単調な味わいに感じるが、しだいにフルーティさが開いてきて、さらにはウッディな熟成感も現れる。

*** [No.2] アデルフィー インチガワー 1985 19年 55.5% ***

(香り) まず濃い香りであることが認識できる。次には、エレガントで心地よい酸味が感じられる。十分な熟成感であるが、ウッディーな印象ではない。癒される甘い香りが心地よい。  しだいにバニラやバタースカッチの香りが現れて、複雑な香りのモルトである。

(味)  ジンとくる濃いブドウの含み香。ウッディな深みもあり、ベリー系の香りとバランスしている。奥には伽羅の味わいもある。

*** [No.3] シグナトリー インチガワー シェリーカスク 1980-2005 24年 55.6% ***

(香り) まずヌカ臭さを感じるが、続いてあらわれるフルーツに消されて、爽やかさが全体の印象だ。

(味)  上質なシェリー樽熟成の味わい。わずかにこげたゴムはあるが、香ばしさの個性と言ってよい。

*** [No.4] ディアジオ レアモルト インチガワー 1976 27年 56.5% ***

(香り) まずヌカを感じるが、すぐさまエレガントで爽やかな香りに満たされる。花のような香りも素晴らしく、じつに色彩感豊かな香りである。

(味)  まず酸味を感じる、鼻にぬけるアルコール感は強い。しだいに濃いブドウに満たされ、盛りだくさんのフルーツとなる。

*** [No.5] マキロップチョイス インチガワー 1981-1999 17年 59.5% ***

(香り) トップノートはヌカの香りであるが、すぐに爽やかな香りに変化する。深々とした印象のモルトだ。

(味)  やはりヌカは感じられるが、爽やかさがそれを上回る。わずかなピートの個性がある。


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2008年07月16日

コニサーズクラブ(08/5/25)テーマ「グレンギリー」

グレンギリー(080525)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.5.25 スタンドバーにて
 今月のお題は、「グレンギリー」である。

 パフューム香、石鹸香といえばボウモアというほど、一時期のボウモアモルトには独特の香りが強く感じられた。  そんな独特で個性的なパフューム香は、ボウモアのほかグレンギリーやほんのわずか数えるほどの蒸留所のモルトでしか味わうことができない。

 現在出回っているボウモア、オフィシャルボトルの12年には、そんな個性がまったく無くなってしまって残念であるが、グレンギリー蒸留所には是非残しておいてもらいたいものだ。

 今回、No.4のモルトにそのパフューム香があった、この一本がなければ蒸留所を絞り込むことは難しかったといえる。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ジェームズマッカーサー オールドマスターズ グレンギリー 1988-2006 53.9% ***

(香り) 甘くエレガントなトップノート。リフィルシェリーの上品な香り、ややミントの香りも。酸味がほどよく、甘みがバランスしている。

(味)  若さからくるアルコール感がある。ドライで硬い味わい。遅れてピートを感じる。

*** [No.2] シグナトリー グレンギリー 46/272 1988-2005 16年 55.3% ***

(香り) もったりとした香り、暗いイメージもある。重い柑橘系の香り、酸化して焼けたような感じである。ニューポットのような香りと言い換えることもできる。  しだいに嫌味は消え去っていく。フルボディに近い。奥には軽くピートが感じられる。

(味)  ドライで味の数が少ない、硬い柑橘系の味わい。

*** [No.3] ダンカンテイラー グレンギリー 15/283 1998-2006 18年 55.8% ***

(香り) 甘い香りが広がる、非常に濃い香りだ。酸味もほどよい。ややミントの爽やかさも。しだいにバニラの香りがプラスされるとともに、ウッディな熟成香が感じられるようになる。

(味)  酸味と深み、さらにウッディな味わいで素晴らしい熟成を感じ取ることができる。味の数は少なくないが意外にドライである。

*** [No.4] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.19.39 1985-2005 19年 54.0% ***

(香り) トップノートはエステリー。酸味もほどよく、ブドウ系のフルーツが香る。香りの数はそれほど多くない。しだいに甘い香りが出てくる。

(味)  強い化粧品香、ボウモアを彷彿とさせるパフューム。オイリーでいつまでも口にまとわり付く。

*** [No.5] ダグラスオブドラムランリグ グレンギリー ラムフィニッシュ 1968 36年 55.9% ***

(香り) 非常に濃い香り。エステリーで酸味を伴う。作られた熟成香とも取れるが、よく出来ている。ホワイトオークの新樽の個性、バーボンの香りに通ずるものがある。しだいにシェリー樽由来の香りも出てくる。

(味)  酸味が心地よい。含み香りにやや嫌味を感じる。わずかなピートが味を引き締めている。深みからくる軽い熟成感。


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2008年06月18日

コニサーズクラブ(08/4/27)テーマ「グレングラッサ」

グレングラッサ(080427)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2008.4.27 スタンドバーにて
 今月のお題は、「グレングラッサ」である。

 グレングラッサ、いったいどんな個性の蒸留所なのか、ベテランのモルト呑みでもひとことで言える方はそうはいないであろう。  シェリー樽を多用し、やや濃い目のモルトに仕上げる、そんな印象もあるが、ハウススタイルといえるほどのものでもないと思う。  そんなグレングラッサであるが、シェリーの濃い目のモルトも出されてはいるが、なかなか悪くない印象をメンバーは持ったようである。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] シグナトリー グレングラッサ cask no.2384 1976-2006 29年 46.8% ***

(香り) さわやかでフルーティ、ミント系の爽やかさである。軽くいがいがするのはピート由来か。しだいに酸味とともに深みが出てくる。

(味)  香りから一転して、ドライでからい。それほど複雑ではない。

*** [No.2] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.21.24 1976-2004 27年 48.8% ***

(香り) 甘い熟成香。酸味がバランスして心地よい。上品なエステル香が香る。しだいにキャラメル香が広がり深みが増す。

(味)  非常に深みがあり飲みごたえ十分。ウッディな含み香がすばらしい。やや辛い。

*** [No.3] ロイヤル・マイル・ウイスキー グレングラッサ 206/254 1976 28年 50.8% ***

(香り) トップノートは甘い香り。しだいに酸味がひろがり、上品でさわやか。非常に複雑で香りの数が多い。

(味)  意外にドライでからい。しだいにフルーティーに変化する。にがみを伴うが、熟成を感じさせる種類のものだ。軽くウッディであり、上質な樽で熟成されたことがうかがえる。

*** [No.4] ジャック・ウイバース グレングラッサ シェリーカスク 1986-2006 20年 54.6% ***

(香り) 焦げた香り。紹興酒あるいは醤油の香り。ラム樽の個性も感じられる。まったりとしながらエステリー。

(味)  香ばしい風味、こげたゴム。湿気た含み香はないので嫌味にはならない。しばらくすれば甘みと、良い意味での香ばしさを感じるようになる。

*** [No.5] マーレイ・マクディビット グレングラッサ 1986-2006 20年 55.3% ***

(香り) 焦げた香り。追って醤油の香りが立つ。まったりと深みがあり、甘みが心地よい。しだいにキャラメル香が広がる。注意深く香ればイオウの香りが出てくる。

(味)  こげたゴム、ややアルコール感を伴う。中程度の酸味。


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2008年04月26日

モルトマニア格付けチェック!その4

先月の問題は「どちらがモルト?」、シングルモルト(クラガンモア12年)とブレンデッド(フェイマス・グラウス)の違いが分かるかどうかというものでした。

これが意外に難問だったようで、正解者の方が少ないという結果で、ここまで4問連続正解は山崎白秋さんと私の2人になってしまいました。今月(4/27)はStand Bar マスターからメールが届き、「今月の格付けはとても簡単です。初の全員正解めざしましょう」とのこと。何だかかえってプレッシャーがかかるなあ…

posted by ophiuchi at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | コニサーズクラブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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